2025/09/02公開
2025/09/29更新

Open Source Labについて

世の中にはソースコードが公開され、無料で使用できる優れたツール、ソフトウェアが多く存在します。
しかしながら、無料ゆえにマニュアルが不足していたり、GUIが洗練されておらず使いづらい場合があります。

オープンソースソフトを実業務で使用することができれば、資金力に乏しい中小企業などのランニングコストを下げる事ができ
これまで見送ってきたビジネスチャンスを掴めるかもしれません。
OPEN SOURCE LABは、オープンソースソフトを中心にその使用方法や業務などへの商用利用の可能性について検証します。
商用利用への可能性を示しつつ多数の例題公開やノウハウの共有をすることにより、オープンソースソフトの普及は進むと考えられます。
現在は主に、CAE(Computer Aided Engineering)のソフトを扱っています。

※以降において、オープンソースソフトとは無料ソフトと同様な意味で話を進めます。


オープンソース・イニシアティブ(OSI)公認ライセンスのロゴ

CAE業務におけるオープンソースソフトの利用状況

製品開発におけるCAE解析業務では高価な有償ソフトを使用するのが一般的です。
理由としては、洗練されたGUIのより解析初心者でも使用することができ、 現場で生じる様々な難題についても長年蓄積されたノウハウにより対応できることが挙げられます。
デメリットとしてはその費用です。年間ライセンスは数百万からオプション次第では数千万円になります。
しかしながら、過去の製品に関するデータとの統一を図る面からも、高価なソフトを使用し続ける選択がされていると考えられます。

一方で、この莫大な費用を削減しようと、無料のオープンソースソフトの利用するという考えもあります。
しかしながら現状では製品開発現場においてオープンソースソフトの利用はほとんどないと言えます。
理由としては、結果に対する信頼性に欠ける点、有償ソフトに比べGUI操作が容易でなくマニュアル等も不足していることから 使用できる人がいない事などが挙げられます。
また、具体的にソフトの移管を考えた時、移管後も滞りなく作業をすすめるためには現状の有償ソフトにある全ての機能を備えている必要があります。
一つでも機能が抜け落ちていれば、現場のエンジニアはソフト移管に対して否定的な立場をとると考えられます。
実際にオープンソースソフトを使用してみると、細かい作業に関する機能が欠けている事に気づきます。
これらの差を埋めるには、有志による補助的なツールなど開発が望まれます。


PrePoMaxの例題解析

CAE業務効率向上のための提案

現在、世の中はAIの台頭により様々な業務の効率化が行われています。分野によっては人の手をほとんど使わなくなった業務もあります。
CAE業務ではどうでしょうか。CAE業務においてもAIの利用は進んでおり、効率化、自動化が進んでいるようです。

TOYOTA SYSTEMS CAE×AIシミュレーション

CAE業務は一般的な作業に比べ、高い専門知識が要求される仕事であると思われます。
クラウドにおける依頼件数を見ても、同様に専門知識が要求されるプログラミングに関する仕事はかなり多くあるのに対し、 CAE業務は一応カテゴリーとして存在するものの実際の依頼はほとんどないようです。
その原因としては、解析モデルを社外に持ち出せないなどの守秘義務の問題などが考えられますが、一番の理由は解析ソフトをワーカー側で用意できない事ではないでしょうか。
年間ライセンス料が数百万円を超えるCAEソフトを所有している個人はほとんどいないと思われます。

そこでもし、企業内で使用されている有償ソフトと同様に使用できるオープンソースソフトがあれば、 特に守秘義務が必要のない作業的な解析においてはクラウドにてワーカーを募集できるようになります。
この事はCAE業務の効率化、高速化に大いに貢献するかもしれません。
現にクラウド業務では、動画作成、シナリオ作成などの仕事においては、ワーカー側に積極的にAI、フリーツールの使用を促して多くの作業の募集がされています。
同様のことが、オープンソースソフトの導入によりCAE業務でも可能になるかもしれません。

オープンソースソフトによる解析

Open Source LabはCAE分野におけるオープンソースソフトが実業務に使用できるかどうかを検証しています。
これまでに

PrePoMax: 有限要素法解析のプリ・ポストプロセッサー。ソルバーはCalculixを使用。
OpenRadioss: Altair社が提供する有限要素における動的陽/陰解法コード
FluidX3d:格子ボルツマン法(LBM)を用いた、GPUで高速に動作する流体シミュレーションソフト

などのソフトにて様々な例題解析を行ってきました。
現状では実業務レベルの解析は行えていませんが、他のツールと組み合わせることでその可能性を模索しています。


OpenRadiossの例題解析

ツール開発とソースコードの公開

オープンソースソフトの欠点としては必要最低限の機能しか用意されておらず、それ単体では利便性が低いことが挙げられます。 
しかし、作業効率を上げるために有志により様々な外部ツールが作られている事が多いです。
Open Source Labもツール開発を積極的に行い、また利用者が自由にカスタマイズできるようソースコードの公開を行っています。

開発した主要なツールを以下に記載します。
HAKAI: Abaqusを模した簡易的なFEM動的陽解法ソルバー
PrePoMax_Multilingual: PrePoMaxの主要メニューの多言語化版テンプレート(例題として日本語版)
FEModelViewer.js: Javascriptによる簡易的なFEMモデルビューワー
abaqus-tool: Abaqusのinpファイル作成補助ツール。基礎的形状の自動メッシュ&inpファイル出力


簡易的なFEM動的陽解法ソルバーの公開